ひとりの求愛者
昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんとアンパンマンがいました。
アンパンマン「おじいさん、すいません、長いことお世話になってしまって!」
おじいさん「いいんだよ。ジャムがあんなことになってしまって、おまえは身寄りがないのだから、気にすることはない」
おばあさん「そうじゃよ、アンパンマン。ジャムは、かわいそうなことになってしまったけど、希望をお持ちよ」
アンパンマン「ジャムっていうなぁぁーーー!!」
おじいさん「だってほら、私たちからしたら、おじさんではないし!(しれっと)」
おばあさん「むしろ、息子くらいの歳なのよジャムは!」
アンパンマン「うぐぐ・・・」
おじいさん「それよりお腹が空いたよばあさん」
おばあさん「おじいさん、ごめんなさいねー。今月は、バイキンマンさんの取立てが酷くて、食べるものがないんですよ」
おじいさん「ひ、ひもじいのう・・・」
おばあさん「仕方がないですよ、おじいさん」
アンパンマン「ぼ、ぼくの顔をお食べよ!!」
おじいさん「なんてことを言うんだアンパンマン」
おばあさん「そうですよ!」
アンパンマン「困っている人を放っておけない性格なんです」
おじいさん「そんなことをしたら、ジャムのいない、この世界ではおまは、2度と復活できなくなってしまうんだぞ」
おばあさん「そうですよ!美味そうだけど!」
アンパンマン「いいんです!ぼく、おじいさんとおばあさんの役に立ちたいんです!」
おじいさん「しかしなぁーこんな老いぼれを生かしたところで、悪から世界を救えるわけでもないのだ・・・」
おばあさん「でも、ちょっとだけならいいんじゃないのおじいさん」
おじいさん「おまえは、なんてことをいうんだ!」
おばあさん「でもほらー美味しいそうよ!」
アンパンマン「そうですよ!食べてください」
おじいさん「いいや、ダメだ!いずれ数百人、いや、数千人、いいや、この世界を救うかもしれぬ者の命を、こんな年寄りが食べたとあっては・・・あっ!ばあさん!!!」
おばあさん「ムシャムシャムシャムシャ」
アンパンマン「うぎゃーーー」
その時の、ばあさんは本当に恐怖だった。
ばあさんは、人ではない何かに魂を売ってしまったんだと思う。
ばあさんは、アンパンマンを美味しく召し上がった後に
じいさんの方をジロリと見ると
今度は、じいさんの方に襲い掛かってきた
じいさんは、思い出した。
そういえば、祝言をあげたその日に、ワタシは、ばあさんに襲われたのだ
あの頃は、ばあさんも麗しき美女で
そりゃーもう言葉に言い表せない初夜であった。
はっ!!!
どうやら、逃げ延びる際に、どこかに頭を強く打って
気を失っていたらしい。
振り返ると、ばあさんは、しょくぱんマンさんや、カレーパンマンさんを
ムシャムシャと、食べながら
「じじいー!どこにいったー」
と、叫んでいた。
体重がなかなか減らないの
去年買ったお気に入りのお洋服が入らない
今夜は、えっちぃランジェリーよ
もうあの頃のばあさんはいない
うふふ!今夜は、あなたと一緒に007よ
秘密は共有するためにあるの、だから1人で秘密を作らないで!
あなたのサヨナラホームランが見てみたい
もうあの頃のばあさんはいない
トイレ我慢してたら、漏らしちゃった♪
あの国に、ミサイル打ち込んどいたわよ♪
りんご、ゴリラ、ライオン!わーしりとりって難しい!
もうあの頃のばあさんはいない
もうあの頃のばあさんはいない
もうあの頃のばあさんはいない
もうあの頃のばあさんはいない
やまださぁーーん!
はーーい!
まーた、おじいさんの妄想始まってるわよーー
あーもう!
おじいさん、ダメですよー!
空想世界では、生きていけないの!
ちゃんと、現実と向き合って生きていかないとー
じゃ、また3時に診察来ますからねぇー
ちゃんちゃん。