異端のリターン

Ghetto Heaven Ⅱ を終焉させた大峠雷夢の雑記

KaLeIdOsCoPe

 
 
僕の名前は、鈴木新作。 

父親がお前はこの世界の新しい命だ! 

ってことで、新作なんていう名前を付けられた。 


これは、3年前にあった本当の話なんだ。 



当時僕は大学生で、夢も希望もなく 

ただなんとなく、世間の波にのり、大学でノリノリっていうワケでもなく 

地味で目立たない、ほんとにつまんない人間だったと思う。 


そんなある日、講義を受けていると 

突然、学校の先生が慌てた表情で僕の名前を大声で呼んだんだ。 


「新作君!あなたのおじいさんが倒れたそうよ」 


なんとっ!じいさんが! 


そう思った時には、僕は病院に向かって走り出していたので 

もう全然記憶がない 


僕が映画監督だったら、このシーンは使うだろうね 

身内の不幸こそ、本気で心配できることはないし、本当に悲しいからね。 


病院に着いて、病室に向かうと 

じいさんは手術も終えて、静かに眠っていた 


じいさん・・・このまんま永遠の眠りなんてつかないだろうな・・・ 

なんて風に考えたのは、たぶん今であって 

あの時は、なんにも考えてなかった 

いや、たぶん2割くらいエロイことと、深夜に見たNHKの特集「大陸を歩くゾウ」っていう、なんかあの光景が5割くらい 


じいさんは、生きる!っていう、よくわからない自分の中の確証みたいなのが残りの3割。 


父さんと、母さんは、お医者さんと話をしてて 

僕は、病室に飾ってあるお花さんに話しかけてた。 


「やぁ!どうだい!元気かい?」 

お花さんは、無言のメッセージを伝える。 

「そうだね。もう切り取られてるんだね君は」 


ペコリ! 

と、お花が挨拶したかのように思えた瞬間 


「新作、おまえは先に帰っていいぞ」 

と、親父に言われた。 


「じいさん、大丈夫だったのー?原因はー?」 

「うーん。どうやら、あのほら、家に古い小屋あるだろー!あそこで掃除してたら、胸が苦しくなって倒れたらしくてなーこれから詳しい検査するだろうけど、たぶん心臓が思わしくないんだと思うわ」 


「そうなんだー」 


「まぁー、しばらくは病院に入院させて、しっかり良くなってもらうさ」 



僕は、家に帰ることにした 





家に帰ると、母さんから遅くなると思うから、新作は適当にご飯食べてください。 

っていう電話があった 



お湯を入れるのは、お風呂だけじゃない! 


ってことで、カップラーメンにお湯を注ぐ 


3分待つ。 

3分。 


人が恋に落ちる時間は、何分か? 



昔、好きだった女の子に言われたことがある 

「恋は、落ちるもんだよ」 

って、正直意味がわからなかったけど 


その言葉を聞いた日から彼女とはすれ違っていって 


そうか!あの子は、僕に全く恋に落ちてなかったんだなって。 



カップラーメンが出来上がる。 

この世の中で、1番の発明は、インターネットと携帯電話かもしれないけど 

カップラーメンも物凄い発明の1つだと思う。 

僕が今楽しんでる、芸術やスポーツは、腹が減っては、戦が的なもので 

全ては、食があって成り立つし 


あぁーうん。そんなことを考えてる間に 

とっくに僕のお腹は満たされてたよ。 



お腹も満たされたところで 

僕は、前々からじいさんの古い小屋が気になってた 

小さい頃から、あの小屋に近づくと、恐ろしく怒られるし 

親父も全然あの小屋へは、近づかない。 

なんなんだあの小屋は? 

って、ずーーっと思ってたから 

ちょうど、じいさんも居ないことだし 

どれ!少し覗いてやろうか! 

もしかしたら「うしおととら」のように獣の槍でとらが封印されているのかもしれない 

いやいや、ほんとに白面の者出てきたら、どうしようかなぁー 


とか、思いながら、僕は古い小屋のドアを開けた 



うわぁー!なんか予想の範疇を超えて埃ぽいなぁー 


懐中電灯を照らすと、小屋の中は、割と綺麗に整理整頓されていて 

なにやら、巻物ぽいものだったり、鎧だったり刀だったり、 

まるで、時代劇の戦国の衣装みたいなものがゴロゴロしていた。 


ふーむ!思ったよりも、おもしろくないというか、家の先祖って落武者狩りして稼いでたのかなぁー 

なんかそんな疑問が強まったりしてた。 


小屋の中は、外から見るより、全然広くって、 

とりあえず奥に進んでいくと、地面に 

「開けるべからず」 

と、書かれたドアがあった 


きたきた!遂に、うしおととらが!待ってろよーーとらーーーー!! 

テンションの高まりを抑えられずに、そのまんま勢いでドアをこじ開けようとする 

物凄く、力の要るドアだったので、その辺にある鉄の棒で引っ掛けてテコの原理で開けた


ギギギギッ! 


ドアが開くと、ちゃんと下に下りる用の階段があって 

恐る恐る、階段を降りた。 



階段を降りて、懐中電灯を照らすと 

ずーーーーーーっと、どこまで続いてるのか分らないような平坦な道が続いていた 



まぁーもうここまできたら、とりあえず行くしかないなー 

なんてのん気に進んで行った 


今、思えば、この時点で引き返していれば 

良かったのかもしれない 


だが、人は好奇心によって 

罪を犯すし、成功もする。 

好奇心とは、常に人間と絶妙な距離にいる。 

そんな風に思う。 



30分くらいかなぁー 

ずーーっと、歩いていくと 

「!へ底地そこうよ」 



んっ!? 

と、思ったが、どうやら相当古いらしく 


逆読みらしい。 



「ようこそ地底へ!」 



ふーん 

地底ねー 

なんて、思いながら更に10分くらい進むと 

人が居た 


いや、先に言っておこう! 

地底人が居た 


僕は恐る恐る地底人に近づくと地底人は、普通に日本語で話しかけてきた 


「こんにちは!」 


「こ、こんにちは」 


「あぁーオニイサン!ここを通る場合、パスポートが必要だよ!パスポートある?」 


「えっあっ・・・パスポートですか・・・えっと、ないです。」 


「そっかーないのかー」 


この地底人は、バカリズム の升野さんにソックリだったんだ!だから升野さんと呼ぶことにする。 

ただ、可愛そうなのは、升野さんは、女の人なんだよね地底人だけど。 




「あのさ、2000円あれば、入れるけど、2000円ある?」 


「えぇーっと、あぁーはい!2000円ありました」 


「そっ!じゃ、いいよ!2000円で入国どうぞー」 


「あっはい!じゃあー2000円!」 


「はい!どーもー!」 


「あのほんとに地底なんですか?」 


「あぁーあんた、地底は始めてかー」 


「は、はい・・・」 


「んーちょっと待っててねぇ」 


待つこと1、2分 



地球儀を手に取る升野さん 


「地球の掴み方は、こーだーー!」 


地球をバスケットボールを片手で持つ見たいに持ってみせる升野さん 



「えっと・・・それは?」 


「えぇーあんたこれみてもおもしろくないのー」 


「えぇーっと、すいません、全然おもしろくありません」 


「これ、今、地底で流行ってるんだけどなぁー」 


「はぁ・・・」 


「まぁーいいやいいや、地底へようこそー!!」 



僕は、地底に足を踏み入れた。 



to be continue..................
 
 
 
 

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2014年に書いたらしい。