異端のリターン

Ghetto Heaven Ⅱ を終焉させた大峠雷夢の雑記

走るコースにクマが出た

【プロローグ】

勘違いさせるやつは 怖いっすわ!
それが僕の口癖だ。
僕の名前はヒヒーン。
まるで、馬みたいな名前だろ。
あぁーそうさ
走りたかったさ
競馬場というあのターフを駆け抜けたかったんだ
だがなー
そうはいかない
恐ろしいもんだ
神さまっていうのは、本当に存在しているのか?
ってくらいな

俺はなぁー
ヒヒーンって鳴くブタなんだ・・・
鳴くっていうか泣くに近いかもしれない

競馬場どころか、養豚場で
ヒヒーンと鳴くブタ
それが俺だ
先日ひょんなことから、入り口の鉄柵が壊れていたんだ
俺は、全身でぶつかってこじ開けたねー
仲間のブタたちは
「やめるんだ!」
「やめるんだ!」
「そんなことをして人間にみつかったら大変なことになるぞ」
って、みんなブーブー言いやがる

だから俺は言ってやったんだ

「いいかおまえら!一生このブタ小屋で過すか、お天道様の光を浴びて野垂れ死ぬか、いったいどっちが幸せな結末だと思うんだい?」

ってねぇー

そしたらみんな、
トントン♪ トントン♪
前脚を使って、俺を賞賛しやがんの

だーもう!おまえらw

それから、1頭、2頭、って、腐れ養豚場から
一斉に逃げ出したねー

ありゃーすごかったなぁー

今、思い出しても鳥肌が立つくらいすごい1日だった

あっ!ブタ肌だけどねー
それから3日間走りっぱなしで

よーやく安全なところに辿りついたんだ

だがよーその間に、仲間が随分やられちまった

そりゃーもう悲しいってなもんだよ。

ヒヒーン!ヒヒーン!

俺は涙が流れない変わりに、泣いた泣いた

流れるのはブタの血ですかーーーってね。
輪廻転生の結果
数年後私は、人になった。

【第一章】
昔々、あるところに
おじいさんとおばあさんと
お猿のモン吉と奥さまが居ました

おじいさんは、インターネットを
おばあさんは、川で洗濯を
お猿のモン吉は、日光でイタズラを
奥さまは、朝食にクレームをつけていました

「このお味噌汁冷めているざますよ!」

そんな奥さまを置いておじいさんは、インターネットをします
「ちょっと、コンビニ受け取りになってるから近くのコンビニに行ってくるよ」
おじいさんはコンビニに行きました

さて、おばあさんは川で洗濯をしていると

なんと、近所で悪ガキで有名なコウイチロウ君が流されてくるではありませんか

おばあさんは30秒ほどかかって

爆裂戦隊 黄土色(おうどいろ)レンジャーに着替えます

「とりゃー!色々あるけど がんばっていこう! 黄土色レンジャー!」
決め台詞が決まったところで
おばあさんは、ハッと我に返り
コウイチロウ君のことを思い出します

時すでにお寿司

そうです。コウイチロウ君は

どんぶらこ!どんぶらこ!
と、川の下流まで流されていってしまいました。
「まぁーしょうがないかー」
諦めが肝心な、おばあさんは
ゆっくりと、黄土色レンジャーの衣装を脱ぐと
洗濯を再開しました

すると今度は、おじいさんが流されてくるではありませんか

そーいえば、おじいさんと呼ぶようになったのはいつ頃からだっただろうか?

若い頃は、ゲンジ(おじいさんの名前)さん、よし子(おばあさんの名前)さんと呼び合う仲だったのに

いつの間にか歳を取ったものね私たち。

年齢を重ねると、外見の醜さもそうだけど、中身の、そう!心の醜さまで現れてしまって・・・
おじいさん!待ってて!今助ける!!!

おばあさんは、30秒くらいかかって黄土色レンジャーの服に着替えます

「とりゃー!色々あるけど がんばっていこう! 黄土色レンジャー!」
この決め台詞は、町内会で考えた台詞で
本当は、

「とりゃー!色々あるけど がんばっていこう! だって、ババアも頑張ってるんだもん!! 黄土色レンジャー!!!」

っていう、長さだったんだけど

町内会長さんに
それは少し長すぎる、その台詞の長さのせいで、怪人たちにやられてしまったらどうするんだ
それに、怪人たちの中の人たちもキグルミ衣装が熱いことだろう。
少しでも台詞を短くして、みんなで良い作品を作ろう!
ハッ!
私は我に返ると
おじいさんが流されていることに気がついた

あぁーおじいさんが下流に!!!!
夫婦というものは、良い思い出だけが先行するわけではない
それは、悪い思い出、思い出したくも無い苦々しい思い出もあるもので

それを乗り越えて、夫婦という形になっているのだ。

そうだ!こんな時は、おじいさんの悪い思い出を思い出そう

うーん。思い出せない・・・
おじいさんとの間に悪い思い出なんかあったのかしら・・・

そうだ!京都にいこう!!

おばあさんは、京都行きの電車の飛び乗り京都に行った

【第二章】

はい!どーもー!


キキでーす!ララでーす!

2人合わせて、キキとララでーす!

ララ「最近、キキに連絡取っても全然電話でてくれんくてーどないしてんー」

キキ「いやーうち大変やってん」

ララ「えーどないしたんー」

キキ「あんなーうちのなー家燃えてしまってん!」

ララ「それあかんわーだいじょうぶやったん?」

キキ「なんも大丈夫なことあらへんwもう大変やってーん」

ララ「なんや!他にも大変なことあってんかー」

キキ「そやねん!お財布は、落すしなー車は西部警察の撮影かなんかで、大破するしーほんまに大変やってん」

ララ「そらー大変やなーでも、身体だけは無事でよかったんちゃーうん」

キキ「それがなー身体もあかんくてーもう余命3ヶ月いわれてんよー」

ララ「そりゃーほんまに絶体絶命の危機やんなー」

キキ「ほんまやねん!名前どおり育ってもーたわー」

ララ「あほかっ!」

ふー
今のどこがおもしろいか分からなかったわ。
私は、おばあさん

おじいさんと、近所のコウイチロウ君を救えなかった元黄土色レンジャー

あれから、もっと人生を楽しむことにしたの

たくさんの男たちに抱かれたわ

時には、人間じゃないオスたちにも

女の幸福って、なんなのかしら?

奈良のシカにシカトされながらもシカ煎餅をあげながら色々考えたわ

そうよ!あたしは、おじいさんに人生を注ぎすぎたの

あの人がネット回線を繋いでいるのに
私は、未だに川で洗濯ってー

文明というそれに溺れたおじいさんと

文明とは無縁に生きた私
貪るようにDragon Ashなんかを聴いたわ(主に若い頃のkj)

例えばどしゃぶりのさえない朝 そんな日も心にはエスペランサー

なのよ。

それで悟ったの

私、もう1度町内会長さんに話してみる

黄土色レンジャーに戻りたいの!!!
私はとりあえず家に戻ることにした
家に戻ると

奥さまとモン吉

「おかえり」

と、言ってくれた
というか、人の家にいつまでいるのだろうか?

モン吉は、お猿界のスターなったそうだ

奥さまは、相変わらず何もしていない
ただ、どこかの奥さまであるという肩書きのみである。
おばあさんは、町内会長さんの家にいくことにした

つづくわけがない!!

ちゅどーーん!
おしまい。

この世は、思った通りになるのだそうで。
思った通りにならないよと
思っている人が、
思った通りにならかった場合、
思った通りになっているので、
やっぱりそれは、
思った通りになっているのだそうで。

 

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